大友克洋監督作品 スチームボーイ
大友克洋監督作品 スチームボーイ
最新情報 作品情報 ダウンロード リンク ビデオ&DVD PS2ゲーム プロダクション ミニゲーム
SUB MENU
ヒストリー インタビュー
インタビュー

[←フローチャートへ戻る] | [←前へ] | [次へ→]
――『スチームボーイ』に限らず、リテイクを出すことはよくあるのですか?
ありますね。スケジュールも大事ですが、作品の完成度を高めるためには、細かいことでもきちっとやっておかないと良い作品はできません。最終的には、ある程度折れることはあっても「極力なんとかしてくれ」「ここはなんとか直せないか」と、リテイクを出します。

――そういうところで監督と意見の衝突があったり?
編集作業中のスタッフ
衝突はないですね。監督としても「自分の作品を良くするために、意見を出してくれているんだ」という思いがあるでしょうから。作品がより良くなることであれば応えるし、そこまで無理することはないと判断すれば却下するでしょうし。こちらもスケジュールを考えつつも、言いたい放題だったと思いますから、憎まれたと思いますよ(笑)。でも、それは『スチームボーイ』に限ったことではなく、きっとどこでも私は文句の多い人間だと思われてますよ(笑)。ですが、言うべきことは言わなければならないし、誰かが憎まれ役を受けなければならないんですよ。

――やはり客観的に見られる人が必要だと。
そういうことです。あまりのめりこんでいると、わからなくなりますからね。客観的に冷めた目で見て、いらないものはいらないと言えなくてはなりません。いわゆる編集とは、お金捨てていくようなものですからね。ただ、結果的に何千万円分捨てたけど、そうすることによって作品の価値は何億円も上がっていくわけですから、「もったいない」なんて言葉はあり得ないんですよ。もったいないからと、ダラダラと長い作品作ってもしょうがないですし、どれだけテンポアップできるかというのは、どれだけいらないものを切り捨てられるかということです。

スピーディーなテンポが乱されないよう編集する
――もっとも気をつけるのは全体のテンポですか?
そうです。特に大友さんの作品は、マラソンコースを短距離走のスピードで走るようなものです。全体が止まらないように、「すべての画が流れていく」ということをテーマにして編集しています。大友さんの作品は『AKIRA』の頃からそういうところは変わっていません。それが大友さんのバイタリティ溢れる作風ですから。

――具体的にどのくらいの作業時間がかかるのですか?
デジタルになって変わりましたね。フィルムと違って素材を取り込む関係上、制作の早めの段階から関わるようになりました。フィルムの時代は、だいたい最後の3カ月くらいでしたが、デジタルになってからは、例えば1年の制作期間の作品ならば、制作がスタートしてから3カ月後に入るようになりましたね。拘束時間は長くなりましたが、早めに意見を出せるということでは良いのかもしれません。

――デジタルになって違うところは?
編集という作業そのものには、違いはありません。フィルムがデジタルに、作業場がモニター上になっただけです。デジタルになったからといって、編集の人間がいらなくなるわけでもないです。ただ、なかには「編集はいらない、オペレーターがいればいい」という人もいますが、オペレーターとエディターは違います。オペレーターは機械を操作するだけで、どこでどう切ってどうつなげるかというのは、やはりエディターでなければなりません。オペレーターに監督が指示して作ってしまう会社もありますが、それは間違ってると思うんですけどね。大友さんはその辺をわかっている方ですから、絶対にそういうことはさせないですよ。

アメリカ版では序盤のシーンがカットされる
――アメリカ版の編集も瀬山さんが?
そうです。アメリカでは、オリジナルの126分のまま公開するところもありますが、さらに短くして106分のバージョンも公開されます。監督としては「そこも切っちゃうの?」って感じでしたけど(笑)。

――アメリカ版の編集ポイントは?
対象がより若年層になるので、子供が見て飽きないようにということが最大のテーマです。できるだけ説明調のところは短くして、設定的な部分もなくすので、最初の工場のところは一切なくなります。そういうわけで、だいたい切るところはしぼられてくるのですが、やはり日本で公開されたものが完成形ですから、そこからさらに切るというのは、ちょっと嫌な仕事でもありますね。ただ、これも誰かがやらなければならないことです。大友さんも「どうしても切られるのであれば、こちら側で納得して切ったものを出したい」ということで、今回は日本側で編集することになりました。

――いろいろと苦労も多かったようですが、完成した『スチームボーイ』はいかがでしたか?
息もつかせぬ展開で話も面白いですし、動きや音もとても良いと思っています。だからこそ、見終わったあとかなり疲れると思うんですけど、それは遊び疲れて帰ってきたようなものですから。そういう「疲れ」は良いことだと思いますし、そういう楽しみ方をしてくれればなと。また、先ほども言ったように、大友さんも年月を重ねて変化していて、『AKIRA』はちょっと子供には難しい話でしたが、『スチームボーイ』は大人から子供まで楽しめるようになっています。ですから、私個人は大友さんの次の作品にも期待しています。もっと変化してくれるのではないかと思って。

――ありがとうございました。
[←フローチャートへ戻る] | [←前へ] | [次へ→]
トップ最新情報作品紹介ダウンロードリンクビデオ&DVDプロダクションミニゲーム
(C) KATSUHIRO OTOMO, MASH ROOM/STEAMBOY COMMITTEE
東宝ホームページ