大友克洋監督作品 スチームボーイ
大友克洋監督作品 スチームボーイ
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――高木さんはアニメにコンピュータが導入されるというのを予見して、勉強されていたそうですが。
アナログアニメーションでは一枚一枚セルに筆で色を塗っていましたが、劇場作品だとセルは何万枚にもなります。それをたくさんの人が分業してやってるわけですから、そこをコンピュータに置きかえれば、どれだけ楽になるか質的にも向上するかということは、良くわかっていました。もちろん僕だけじゃなくて、コンピュータが非常に高価な昔から、いろんな人がそのために試行錯誤していました。アニメーション制作にコンピュータを用いるというのは、コンピュータの使い方として予想しやすいものだったと思います。

作業中の高木氏(手前)。奥はCGI監督の安藤氏
作業中の高木氏(手前)
奥はCGI監督の安藤氏
――コンピュータを使ってデジタル化することのメリットはどこにあると思いますか?
先ほどもいったように、何度もテストを繰り返すことができるのが大きなメリットです。しかし、それじゃあいつまでテストをすれば良いのか? どこでOKを出せば良いのか? という問題がデメリットになりかねません。例えば、他の人がコンポジットした後に、自分で直接カメラワークなどを調整したりすることも多かったのですが、それをどこで終わらせれば良いのか、判断が難しくてキリがなかったりしました。ただ、フィルムでの撮影では、演出は指示を出すだけで終わっていたのが、もっと深く作品に関われるようになったわけで、自分にとってはこれも大きなメリットの一つです。逆にそれが作業領域が曖昧になる問題になったりしかねないのですが、幸い『スチームボーイ』に関しては、スタッフのチームワークが良かったので、このメリットを生かすことができました。

――苦労した点は?
苦労はたくさんありますが、一番大きな苦労は、劇場作品としてカット数が非常に多かったことです。1860カットもの複雑な要素を組み合わせた劇場作品をどうまとめて作っていけば良いのか。1カット1カットの苦労はもちろんありますが、大友さんから求められている映像というもの以上に、カット数にしてもCGの量にしても膨大なので、それをどうバランスを取って効率良くこなしていくかということが、もっとも高いハードルでした。

メインスタッフと画面をチェック
メインスタッフと画面をチェック
――この作品に携わって率直にいかがでしたか?
楽しかったです。いろいろと自分のアイデアを試すことができたし、新しい発見もありました。多くの人の意見を聞くと、人それぞれにいいところがあって、それを活かす方向を探ったりとか、映画やアニメーションといった集団で作ることの面白さというのは、そういうところにあると思います。また、イメージ豊かで偉大な監督と仕事ができたと言うのも光栄です。楽な仕事ではなかったですが、楽な仕事というのはどこかで手を抜いているからであって、「つらいけど楽しい」というほうが、やり甲斐のある正しい仕事のあり方なんじゃないかと思っています。

――これだけは見て欲しいというところなどありますか? 全体に関わっているので難しいと思いますけど。
そうですね(笑)。自分の仕事は全体を見る仕事なので、どこか突出してというよりは作品全体を楽しんでください……ということになります。

――ありがとうございました。
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(C) KATSUHIRO OTOMO, MASH ROOM/STEAMBOY COMMITTEE
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