――『スチームボーイ』をやることになって、どのように思いましたか?
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| スタジオの壁を埋めるイメージボード |
実は、最初はやりたくなくてずっと断っていたんです。それまでずっと、ひとりで仕事場を借りて、ひとりで出来る仕事をしていまして、こういった人ががたくさんいるところでやるのは嫌じゃないんですけど、一回借りた部屋を明け渡すとまた借りるのに時間がかかるので、どうしようかなぁ……と。まあ、それにやっぱり自分ひとりでできる仕事の方が好きなんですね。
――結局、口説き落とされてといった感じなんでしょうか?
まあ、そんな訳でもないんですけど。その前に漫画家の寺沢武一さんという方と一緒に仕事をしていたんですが、それもずっと借りていた仕事部屋でやってたので、できればそういったスタンスで仕事をやりたいと思っていたんですけどね。
――今回はあまりにも長くなりすぎといった感じでしょうか?
そうですね。ちょっと予定外の出来事でした。
――では今回の仕事が終わったらまた元に戻られるのでしょうか?
それもまた無理なんですよ。そのころはまだ、無理をして場所を借りてたんですけれど、今は子供も増えたりと、色々ありまして。
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| 作業中の木村氏 |
――大友さんとの仕事の魅力や思うところを教えてください。
どこまでもとことん描くところですかね。それが大変でもあるんですけれど、同時に魅力でもあります。ただ、見るのと自分で描くのでは大違いですから、やはり自信はなかったんです。ですが、自分でいうのもなんですが、トラブルもなく良く出来たと思います。
――よくあるトラブルというのは?
「こんなの使えないよ」とか「これはやり直してくれ」とか。そういったイメージ違いははなかったですね。
――他にも“大友さんはここが違う”というところはありますか?
大友さん自身がレイアウトを描いてくるところでしょうか。で、当然、凄いレイアウトが来るんで、こちらもその分、描いて返してるわけですが。また、大友さんは画面に映らないフレーム外のレイアウトも描いてくるんですよ。監督がそんなもんだから、こっちもそうケチケチしてられないんで、フレーム外も描くんですけど。
――もったいない感じがしますが。
そう思うんですけどね。ただ、描いておかなければ、という気もしました。まあ、2度とないことですので。
――今回、とても長い時間がかかっていますが、一番つらかった時期、あるいは面白かった時期というのは?
面白かったのは、背景スタッフが入ってきて交流を持てたことですね。
――これまでを振り返っていかがですか?
9年間という長い間、手を抜かずにこられたということですね。時間がないと急いで直したりといったことがあり、スタッフにも不満が溜まったりするんでが、今回はゆっくり時間を持てたので、スタッフともそういう嫌な思いはしていないと思います。
――ありがとうございました。 |