大友克洋監督作品 スチームボーイ
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――まず、脚本家としての村井さんの役割について教えて下さい。
脚本・村井さだゆき
脚本・村井さだゆき
今回は通常と違って、僕はかなり後から参加しました。『スチームボーイ』は企画自体に紆余曲折があり、そのたびに脚本も書き換えていたので、その過程でいろいろと複雑な要素が混ざってしまっていました。それを修正したり、削ったり、大友さんが本来やりたいことをまとめることが僕の作業でした。本当は削るのは苦手なんですが、僕が参加した段階で脚本は既に第20稿でした(笑)。そこからまた何度も書き直して、最終的に上がったのは小直しも入れて第26稿で、1〜2年くらいかかりましたね。ストーリーと始めと終わりは決まっていて、でも、間の異物は取り除かなくてはいけない……ということで。例えば、最初はヒロインがエマとスカーレットの2人だったんですが、大友さんも女の子にはあんまり興味がないから、最終的にエマは最初に出てくるだけのキャラで、スカーレットがヒロインという今のかたちになりました。

――では、大友さんと2人で作業を進めていくという感じだったのですか?
そうですね。これもまた普通の映画と違って、今回は絵コンテと並行だったので。また、『スチームボーイ』は家族や親子が気軽に楽しめるファミリー映画として企画が進められてきて、ディズニーのような、誰がみてもどっちが悪者かわかるようなストーリーを……という要望もありました。ですが、僕も大友さんもあまりにも勧善懲悪なものには興味がないので、そこはある程度歯止めをかけるように2人で話しました。

――大友さんとお仕事をされていかがでしたでしょうか? 印象を伺いたいのですが。
やはり鋭いですね。打ち合わせでちょっと煮詰まったときに、「そういったところでこだわらなくていいんじゃないか」と指摘してくれるのですが、そういう発想ができるというのが凄いなと。

――こだわりのある方だとよく耳にしますが。
こだわりのないところは全然ないんですよ(笑)。だから、先ほども言ったように「大友さんが本当にやりたいのはここなんじゃないの?」というところを、あらためてつき返すという作業が多かったんですよ。企画が何年も経って、大友さんがこだわらないところにいろんな要素が混ざっていたので「その部分は、本当は大友さん興味ないでしょ」と(笑)。

――それは誰かが付け足していったような要素だったのでしょうか?

そうだと思いますよ。当初とはスポンサーも変わってますし。それから、大友さんが本当にやりたいことはなんだろうと考えると、それはある種のパワーを描くことだと思います。企画段階で、「なんで19世紀なんだ」と周りに散々言われたそうですが、僕はすごくよく分かる。蒸気の力が生まれ、産業革命という世界を変えてしまうあのエネルギーを描きたいんだと。2人で話しているときも、それは漠然と感じられたので、その部分は残そうと。

――過去の大友作品で印象に残っている作品はありますか?
僕の世代は学生時代、「童夢」や「AKIRA」といった漫画に衝撃を受けてますから、大友さんと言えば神様のような存在です。僕は「童夢」以前の短編集も読み漁ってますが、例えば「SOS大東京探検隊」という作品は、東京オリンピックのときに東京の地下に巨大な空洞ができ、少年たちがその地下を探索していくという話で、そういったところが、大友さんのテーマとして『スチームボーイ』にも連綿と受け継がれているんじゃないかなと。
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